1MB FDD I/F付属ケーブル

インデックスに戻る][ホームに戻る][掲示板にジャンプ][メールを送る]

 総額7600円 さんに投稿いただきました1MB FDD I/F付属ケーブルの製作記事です。
 
 本来は総額7600円 さんHPを作ってそこで発表されるのがベストなのですが、まだHPを作る予定が無いとの事ですので、それまでの間、仮の置き場所として、場所だけ提供させていただきます。
 総額7600円 さんがHPを作られたあかつきには、ここはリンクのみになります。

総額7600円 さんのコメント
 PC-9801BX/BA以降のPC-98は本体に1MB FDD I/Fを備えていないため,外付けFDDの接続にはCバススロットに挿す1MB FDD I/Fが必要となります.この1MB FDD I/Fの現行品にはLand ComputerのLIF-1MF3とLIF-1MFBがありますが,過去には純正品を含め多くのメーカーから製品が発売されていました.しかしそれらはほとんどの場合中古でもかなり高価であり,入手は容易ではありません.
従って1MB FDD I/Fをなるべく安く入手しようという場合,ジャンク品を狙うことになります.特にケーブル類が欠けているものは,インターネットオークションなどでも1000円程度で落札できる場合があります.またこの状態のものは,まれにジャンク屋の店頭のダンボール箱に放り込まれて数百円程度で売られていることもあります.

本記事は,1MB FDD I/Fのケーブルを作成するための参考資料の提供を目的とします.上記のように1MB FDD I/Fは多くのメーカーから様々な種類のものが発売されていましたが,筆者が調査した限りでは,内蔵されているFDDが同じ種類のものであれば,PCのタイプ(Mate-A,それ以外のFD1138T内蔵機種,MULTi/CanBe,CanBe以外のFD1231T内蔵機種・5インチFDD内蔵機種)が同じならば,ケーブルもおおむね共通のようです(ケーブルの長さ(全長,コネクタ間隔)の違いを除く).これは,1MB FDD I/Fのメインケーブルが,内蔵FDDケーブルの信号を単に分岐したものであって,ケーブルに捻りを入れたりラインを入れ替えるなど結線を複雑にする必要がないためと思われます.

本記事中でのコネクタのピン番号の割り当ては,研究発表会の「コネクタの種類とピン番号」に示す通りとします.なお記事のご利用は自己責任でお願いします.
 
市販の1MB FDD I/Fでは,I/Fボード上のバッファICを介して外付けFDDと信号のやりとりをするようになっています.しかし筆者が実験した限りでは,1.5m程度の外付けFDDケーブルを用いた場合でも,バッファICなしで外付けFDDの動作に支障は認められませんでした.
また1MB FDD I/FはCバススロットに挿すボードの形状をしてはいますが,そこで処理される信号は,内蔵FDDケーブルから分岐した信号と,マザーボード上の8ピンないし12ピンコネクタから引いた信号(VFO関連信号等)だけであり,Cバススロットと電気的に接続されているのは,バッファICやプルアップ抵抗に供給するための電源(+5V)とGNDの2種類の端子のみです.従ってバッファICを用いない場合,Cバスボードの形状である必要はなくなります.そこで本記事ではバッファICを省いたケーブル状の1MB FDD I/Fの結線について記述します(バッファICを信号伝達経路中に挿入すれば,市販の1MB FDD I/F相当品が作成できます).
この場合,外部コネクタの固定の問題があります.市販の1MB FDD I/Fでは外部コネクタの形状はアンフェノールフルピッチです.Cバス用の多くのSASI I/Fや一部のSCSI I/Fではこの型の外部コネクタが使用されていますので,1MB FDD I/Fで同じ型のコネクタを採用する場合には,これらのブラケットを利用できます.
また,このコネクタを小さくした形のアンフェノールハーフピッチコネクタを外部コネクタにする場合には,コネクタの固定に一般的なSCSI I/Fのブラケットが利用できます(Mate-Aの場合には,専用スロット用のSCSI I/Fのブラケットに取り付けることも可能です).この場合,外付けFDDケーブルには,ハーフピッチコネクタとフルピッチコネクタを各端に持つSCSIケーブルやPC-H98用のFDDケーブルを利用することになります.Dサブハーフコネクタを外部コネクタに用いる場合も同様です.
これらのコネクタは50ピンですが,25ピンや37ピンのコネクタを用いることも可能です.ただしこの場合は,利用できるブラケットの入手が難しく(前者は一部のSCSI I/Fで,後者はICMのSASI I/Fと一部のSCSI I/Fで採用されていました),また外付けFDDケーブルを自作する必要もあります.
金属板にコネクタ取り付け用の穴を開けるのは,ボール盤やヤスリ等の工具がなければ困難ですし,これらの工具を用いても作業は大変です.しかしPCカードスロットアダプタのI/Fボードなど,使用されていない部分の大きいブラケットをもつI/Fでは,その部分に穿孔して外部FDD接続用のコネクタを取り付けることができれば,スロットの節約になります.またI・OデータやICMのセカントバス対応のベースボードでは,セカンドバスI/Fの外部コネクタ取り付け用のブラケット開口部に,他のSCSI I/Fなどから切り出したハーフピッチコネクタ取り付け部分を固定し,そこに外部FDD接続用コネクタを取り付ければ,同様にスロットの節約になります(ICM製のI/Fの場合には開口部付近の加工が必要).
 
■Mate-A以外のFD1138T・FD1148T(26ピン)内蔵機種の場合
・FD1231T内蔵機種用のケーブルの結線については,すでにウェブ上で資料が公開されています(PC-9801-87用):
HAMLIN'S PAGE http://members.ld.infoseek.co.jp/hamlin/ --> FDD関係
--> PC-9821Xa7以降の機種でPC-9801-87を使用するときの回路図(PC-9821-K10),PC-9821Xt13以降のミニタワー機でPC-9801-87を使用するときの回路図(PC-9821-K12)

ケーブルの長さやコネクタの間隔は,お持ちの1MB FDD I/Fと取り付ける機種に合わせて決定して下さい.参考までにLFA-19付属のケーブルのコネクタ間隔と,SAFRONIC製11-0671-BのMate-A以外のFD1138T内蔵機種用ケーブルのコネクタ間隔を記載しますが,ボード上のコネクタの位置はI/Fにより数cm程度異なる場合がありますので,この値はあくまでも参考値とお考え下さい.

◆メインケーブルとサブケーブル
1MB FD I/Fをどの機種で使用する場合でも,PCとI/Fボードとを2種類の信号ケーブルで接続する必要があります.ここではこれらのケーブルをメインケーブルとサブケーブルと呼ぶことにします.メインケーブルは内蔵FDDへの信号を分岐させてI/Fボードに導くもので,PCのタイプにより適合するケーブルが異なります.このケーブルについては後で詳述します.
サブケーブルは,8ピンまたは12ピンのミニメスコネクタを両端に持つもので,Cバスボックス脇,あるいはCバスバックボード上(MULTi/CanBeの場合)のミニオスコネクタと接続して,VCF関連の信号やDRIVE SELECT信号などをマザーボードとI/Fボードとの間でやりとりさせるためのものです.まずはこのサブケーブルについて述べます.

◆サブケーブルの結線
付属品の一部が欠損しているとして売られている1MB FDD I/Fにおいて,欠けている付属品として最も多いものはこのサブケーブルであろうと思います.また付属品がすべて揃っていると称して売られているものでも,実際にはこのサブケーブルが欠けていたというケースもあります.
サブケーブルの結線を下図に示します.PCのタイプにより3種類が区別されますが,いずれの場合も,両端のコネクタの形状はケーブル内で等しく,また同一ピン番号同士が結線されます.1ピンとそれに繋がっているケーブルを赤で示します:


LFA-19のものでは,2つのコネクタ間のケーブルの長さは,8ピンサブケーブルでは約25cm,長い方の12ピンサブケーブルでは約18cm,短い方の12ピンサブケーブルでは約5cmです.
ミニメスコネクタについては,研究発表会の「PC-98用内蔵5インチFDD増設ケーブル」(kenkyu/pc98in5fdc/pc98in5fdctxt.htm)をご参照下さい.

※α DATAの ADF-1MT は,I/Fボード上に8ピンミニコネクタを持たず,Mate-A以外のFD1138T内蔵機種,CanBe以外のFD1231T内蔵機種・Mate-A以外の5インチFDD内蔵機種で使用する場合には,基板上の3本×5連ジャンパスイッチの設定後,付属の8−12ピン追加信号ケーブルでMate-A用の12ピンミニコネクタとマザーボード上の6ピンミニコネクタとを接続します.詳細は研究発表会・98用拡張ボード設定表のADF-1MTの項をご覧下さい.なおこのI/Fでも,基板上に8ピンミニコネクタのパターンは存在しますので,ここにオスコネクタを取り付ければ,通常の8ピンサブケーブルが使用できます(もちろんケーブルを直接ハンダ付けすることもできます).

◆メインケーブルの結線
PCのタイプにより適合するケーブルの種類が異なります.しかし上述のように,どのケーブルでも,すべてのコネクタが同一番号ピン同士結線されていると推測されます.下でご紹介するメインケーブル群の結線はこの推測に基づいています.お持ちの1MB FDD I/Fが,ひょっとしたら特殊な結線のメインケーブルを接続するタイプなのではないかと危惧される場合には,
・FD1138T内蔵機種では,HAMLIN's PAGE http://members.ld.infoseek.co.jp/hamlin/ --> FDD関係 の,"2台接続用ケーブル回路図 26PIN_FDD用 PC-9801BX2/U2標準接続回路図" を,また,
・それ以外の機種では,同じカテゴリーの,"PC-9821-K08ケーブルとその接続" を,
それぞれ参照し,I/Fボード上のメインケーブル接続用オスコネクタの+5VピンやGNDピン同士の導通や,カードエッジ端子(A49,A50,B49,B50が+5V,A01,A11,A21,A31,A41,B01,B11,B21,B31,B41がGND)や外部FDDコネクタ(26−50ピンがGND)との間での導通を調べてみて下さい.これらがHAMLIN's PAGEで公開されている資料のものと同じであれば,お持ちのI/Fボードのメインケーブルも,ここで紹介するストレート結線タイプのものであるとほぼ断定できるかと思います.

多くのI/Fボードでは,I/Fボードのブラケット(外部FDDコネクタが取り付けられている金属板)を手前に見た場合,FD1138T内蔵機種用の26ピン(または30ピン)オスコネクタとCanBe以外のFD1231T内蔵機種・5インチFDD内蔵機種用の34ピンオスコネクタが,I/Fボードの左側に隣接して配置されています.またMULTi/CanBe用の34ピンオスコネクタ2個は,カードエッジに近い側に隣接配置されています.HAMLIN's PAGE http://members.ld.infoseek.co.jp/hamlin/ --> FDD関係 の,"PC-9821/9801シリーズ用フロッピィディスクドライブインターフェイスボードとその付属品について" もご覧下さい.

結線図を参照される場合,コネクタの向き(突起あるいは切り欠きの向き・接合面か否か)にご注意下さい.メインケーブルを作成される場合には,下の図を参考に,お持ちの機種とI/Fボードに接続するのに最適なコネクタの向きを選択して下さい:



以下にメインケーブルの結線をPCのタイプごとに示します.図中の各ケーブルでは,それぞれのコネクタについて,その接続先が示されています.

■Mate-A
PC-9821A2-E02では,ファイルスロット/ファイルベイバックボード - 内蔵FDD - I/Fボード を繋ぐケーブルが付属していますが,サードパーティー製の製品では,内蔵FDDケーブルの信号を分岐させるタイプのケーブル(いわば内蔵FDDケーブルに継ぎ足すケーブル)が付属しています:




もちろんPC-9821A2-E02でも,後者のタイプのケーブルが使用できます.

LFA-19付属のケーブルは,FD1138T内蔵機種用のもの(26ピンコネクタタイプ)では,1MB FDD I/F - マザーボードと接続されていたFDDケーブルコネクタ 間が約15cm,マザーボードと接続されていたFDDケーブルコネクタ - マザーボード上のFDDケーブル接続用コネクタ 間が約5cmとなっています.

■Mate-A以外のFD1138T内蔵機種
これ以降,PCのタイプ別ケーブルについては下図をご参照下さい:




LFA-19付属のケーブルは,3.5インチFDD内蔵機種用のもの(26ピンコネクタタイプ)では,1台目FDD接続用コネクタ - 中間コネクタ 間が約5cm,中間コネクタ - 1MB FDD I/F接続用コネクタ 間が約16cmとなっています.また11-0671-B付属の3.5インチFDD内蔵機種用ケーブル(30ピンコネクタタイプ)では,1台目FDD接続用コネクタ - 中間コネクタ 間が約5cm,中間コネクタ - 1MB FDD I/F接続用コネクタ 間が約16cmとなっています.

なお,30ピンタイプのケーブルは,R&D製のファイルベイ5インチFDD増設ユニットの ID-55FB でも使用することができます.

■MULTi/CanBe
LFA-19付属のケーブルは,2つのコネクタ間が約5cmとなっています.

■CanBe以外のFD1231T内蔵機種・Mate-A以外の5インチFDD内蔵機種
これら2つのPCのタイプには同一のケーブルが対応します.LFA-19付属のケーブルは,CanBe以外のFD1231T内蔵機種用のケーブルとして見た場合,1台目FDD接続用コネクタ - 中間コネクタ 間が約8cm,中間コネクタ - 1MB FDD I/F接続用コネクタ 間が約27cmとなっています.ミニタワー型の機種ではさらに長いケーブルが必要となります.

 

インデックスに戻る][ホームに戻る][掲示板にジャンプ][メールを送る]