エマティな揚水水車3号機
有里揚水水車

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(^_^):まいど〜〜〜!
このページは漫才形式でおおくりいたしております。なぜこういう形式をとっているかをまだご存知でない方は先に

エマティ誕生秘話


なにわ君誕生秘話

エマティな水車設計

をご覧ください。
またいろいろ技術用語が出てくるかもしれませんが、インターネット上のことですので、適当に検索すれば、他所のサイトでいろいろなレベルの説明がありますので、ここではなるべく説明をしない方針にしております。
わからない単語はみなさんご自分で適当に調査してください。
(・_・):思いっきり手え抜いとるな。

◎今回の御題

用水路に流れる水を公園のせせらぎ水路に汲み上げるための揚水水車です。今回は落差が5cmしか取れないというのが最大の課題です。
項目 設計値 単位 備考
流入水量 0.5 m3/s 水量ちょい少ないか。 
落差 0.05 この落差で、揚水できるの?
揚程 0.4  
揚水量 0.013 m3/s

従来形揚水水車の様にまとも水を持ち上げていてはとてもこんな落差では揚水できません。
で、デザイン的におもいっきり変更しました。
材質はステンレスで、擬木塗装です。

下流側から見たところ



斜め上流から見たところ



水が上がっているところ



真横から



設置場所は
鹿児島県 肝属郡串良町 有里というところです。
この水車のところから下流に50mほどが親水公園になっています。

用水路から親水公園に水を引き込み、水車とせせらぎ水路に分水しています。
水車で持ち上げた水は最終的にせせらぎ水路に落ちます。
せせらぎ水路の水は最終的に、元の用水路に戻されます。




工夫したポイントとしては

○柄杓の形状を根本的に変更
この水車はもうエマティオリジナルといっても良いでしょう。

従来の柄杓は水の入り口と出口は同じわけですが、この水車は入り口と出口が別れています。
くちばしのようなところで、水を捕らえ、軸の周りの円筒のところから排出するようになっています。

くちばしの微妙な曲線は救い上げた水がこぼれないように回転につれて内容積が徐々に大きくなるようにしています。

水深が低いときには揚程が高くなるので、揚水量を少ない目に、水深が深いときには要諦が低くなるので、揚水量が多めになるという効果もあります。

高さ的には、外周部で汲んだ水を内側に引き込みながら、軸よりも低い高さでリリースしています。
従来形の水車ならばほぼ真上にまで持ち上げてから、リリースしますので、大幅に高効率が期待できます。
柄杓を管路にせず開路にしているのは、ゴミとかを吸い込んだときに取り易い様にです。

私が畑を持っていて、もし50cmほど揚水するために作るなら、洗濯機のホースあたりを使うでしょうねぇ。
詰まったら、ホースごと交換すれば良いし。自由に曲げられるし。

どういう風に水が流れるかお分かりいただけるでしょうか?
(^_^):最初デモ用に模型を作ろうとしたのですが、模型屋さんに作れないと断られてしまいました。(T_T)
(^_^):しょうがないので、加工しやすいように紙製の模型を自分で作りました。
(^_^):実際の製作のときにも、製缶屋さんにどうなっているのかわからないといわれて、模型2号を作って送ったりしました。

出口の拡大図

(^_^):円筒と円筒の間を加工しやすい直線のセパレータで仕切るよう工夫しています。
(・_・):というても外の筒のとこは曲線やんけ!
(^_^):ここを直線にしたら、放水時に傾斜がなくなるやんか!



さらに拡大図



○擬木塗装
形状的には木でこの柄杓を作るのはまず無理かと思いますが、木の感じを出すために塗装しています。
木目は手書きです。

(・_・):これだけえらい写真が多いやんけ。
(^_^):私の自慢のデザインやから!

◎次回の改良点

とりあえず動いているのですが、次回作り直す場合に向けて、
(・_・):いつの話やねん。
(^_^):金物で20年後、構造物もので50年後くらいでしょうか?
(・_・):もうお前死んどるやろ。
(^_^):せやから今のうちに後世の人に伝えとくんやがな。
(・_・):これ水車1と2でやったやんけ!
(^_^):不具合があるんやからしゃあないやんか。

○水車水路流量
実際に設置してまわしてみるといまいち回転速度が上がりません。
転倒ゲートを操作して、上流側の水深を1.1m近くしてやっと、想定に近い回転数が出ます。
何でだろうと起こって、このコンテンツを書くに当たって再検討してみたのですが、
(・_・):遅すぎるやんけ、こら!
転倒ゲートで簡単に落差を5cmとれるという前提で設計したのですが、転倒ゲートを5cm上げただけでは、落差が5cmできるというようになならないようです。
転倒ゲートのところでは水深がほぼ1mあります。
転倒ゲートの上下流で段差が5cmあったとしても表面の方ではほとんど影響がなく、
5cm水面が低くなることにより、その位置エネルギーが速度エネルギーになるだけで、結果的に実落差が取れないようです。
で、実落差が5cmにしようと思ったら、上流側の水深が上がりすぎてしまうということになります。
言い換えると、ゲートの角度を操作して5cm実落差が付く角度と、上流側水深が1.05mになる角度とは異なるということです。

転倒ゲートではなく普通のゲートにしても、
・総流量3m3/sのうち0.5m3/sだけ水車水路に流しながら、
・実落差を5cmとり、
・上流の水深は5cm以上上げない
というような都合の良いコントロールは無理と思われます。

灌漑期に水を大量に流す理由は大きく分けて2つです。
1つは実際に必要な水を供給すること。
もう1つは、水位を田畑よりも高くして、自然に流れ込むようにすること。
そうすると、今回転倒ゲートを設けて、流量が少なくても水位を高く保てるようにしたのだから、流量を減らしても良いということになるのではないでしょうか?

転倒ゲートをほぼ目いっぱい上げて、水面の高さを1m〜1.05mになるような水量を流せば5cmどころか10cmでも20cmでも水車のところで落差が取れます。

揚水水車の設計は水路も設計する必要があるのはわかっていましたが、こういう運用面での提案もしていく必要があったようです。○| ̄|_  ←は人ががっくりしているところらしいです。

○放流
提案では揚水してすぐに放流するように絵を描いていたのですが、実際には下流にむかって、提頂を約3m、その後石張りのせせらぎ水路を流れた後、隣のせせらぎ水路に落ちるようになっていました。
どうも流れが悪い。(T_T)
土木工事の人に聞いてみました。
(^_^):この提頂部分の勾配はどれくらいあるんですか?
(土木):ありません。
(^_^):絶句

心の中で、「水路の工事をやってて、水勾配という言葉知らないんですか?」と叫ぶエマティ。
その下流側の石張りも、コンクリート部分は提頂より若干低いのですが、石がかなり出っ張っています。
揚水をやめれば水溜りになることはありませんが、水が流れているときは、逆勾配になっているのと同じです。
揚水量はわかっているのですから、せせらぎ水路を設計するときは、流れるようにしてもらいたいもんです。

で、このとき私の前任者の作った水車で、水車の回転があがらないということがあったのを思い出しました。
(・_・):遅すぎるがな。

土木工事をすると、高さ的には図面寸法がミニマムな様です。
低いということはコンクリートが設計より少ない。
材料をごまかしている。
という論法になるのではないでしょうか?

前任者の水車のときも、コンクリート部の高さは設計どおりだが、石張りにした石の出っ張っている分だけ、取水の樋が浮いて、水が十分取水できない状態でした。
ああ、これを先に思い出していればこんなことにはならなかったのに。

○フェンス
水車は止まっていると面白くもなんともありません。
動いていると触ると危険です。
で多くの水車がフェンスで囲われています。

大旦川水車は水車の架台のところから地上までは2mほどの絶壁になっており、落ちたら危険どころではないので、最初から計画されていました。
が、フェンスのおかげで、ほとんど水車は見えなくなってしまいました。

甲良の揚水水車は河川の中にありますので、護岸のフェンスの延長という感じで無理なく囲われています。

ここは最初の写真のように上流側はフェンスがありません。
取水している用水路にも。
せせらぎ水路をわたる、河床まで1mくらいは高さがあると思われる長さ3mほどの木橋もフェンスがありません。
なぜか水車の下流側と橋の下流側にはありますが。(汗
(^_^):さすが鹿児島っ子は違うなぁ。野生的〜〜〜!
(・_・):大阪やったら、フェンスを破れたまま放置していたために中に入って怪我しただけで、管理者の責任がとかいわれるからなぁ。



と思ってたら、
水車に触れると危ないからフェンスをつけるにはどうすればよいかという相談が。

2mの水車を中に入れないような高いフェンスで囲ったら、水車が見えなくなるでしょう。
軽くチェーンで囲っただけでは気休めでしょうしねぇ。

今回の場合は反対側が山で、人が来ることは無いので、用水路の山側に水車を設置し、揚水した水を樋でせせらぎ水路に引いてくると良かったと思います。
(・_・):完全にあとの祭りやな!

なるべく正しい情報をご提供しようとは思っておりますが、間違ったことを書いているかもしれません。(汗
誤字脱字を含めまして、間違いがございましたら、ご指摘いただきたく、よろしくお願い致します。m(_ _)m

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