エマティな揚水水車2号機
甲良割取揚水水車

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(^_^):まいど〜〜〜!
このページは漫才形式でおおくりいたしております。なぜこういう形式をとっているかをまだご存知でない方は先に

エマティ誕生秘話


なにわ君誕生秘話

エマティな水車設計

をご覧ください。
またいろいろ技術用語が出てくるかもしれませんが、インターネット上のことですので、適当に検索すれば、他所のサイトでいろいろなレベルの説明がありますので、ここではなるべく説明をしない方針にしております。
わからない単語はみなさんご自分で適当に調査してください。
(・_・):思いっきり手え抜いとるな。

◎今回の御題

用水路に流れる水を公園のせせらぎ水路に汲み上げるための揚水水車です。
参考として、福岡県にある朝倉三連水車と比較してみます。
項目 設計値 単位 朝倉三連水車 備考
流入水量 1.8 m3/s どう見ても2m3/s以上 水量がだいぶ少ないか。 
落差 0.4 1機あたりなら同じくらいでしょう  
揚程 1.9 同じくらいでしょう  
揚水量 0.027 m3/s 約0.1m3/s(3台合計) 1機あたりでは似たようなもんです。

朝倉の水車に比べて、流量が不足するところをどこまでカバーできるかというのがテーマになります。
で、デザイン的にはほぼ同じような感じにしました。
材質はステンレスで、塗装無しです。
下は完成時の写真です、これはこれできれいです。

水車はすぐに藻や苔が付いて、黒くなりますので、塗装はしない方が良いでしょう。

樋はなんか色を塗っても良いかもしれません。



設置場所は
滋賀県の甲良町の犬上川沿い、名神高速道路のチョイ下流にあります。

隣に公園やグランドがあるのですが、特に紹介しているサイトはないようです。(T_T)

今回は大旦川の反省を受けて、取水口のスクリーンの幅を3m(だったとおもう)取ってあります。
また流れが急変しないように水路も考慮しています。
今回はお手本
(・_・):勝手にお手本にすなよ。
に近い仕様ですので、寸法的にもデザイン的にもほぼパクリです。

水車寸法図


そのほか工夫したポイントとしては

○柄杓の角度
朝倉の三連水車は19度が最適らしいですが、こちらは22度にしています。
柄杓の寸法や水深が違うので、そのまま同じ角度にすりゃあ良いという物では決してありません。
ケースバイケースです。
傾きが大きいということは、より早く水が落ちるはずなのですが、7rpmあたりで、少し樋を飛び越えだします。
本当に朝倉三連水車は8rpmで回って、樋に落ちているのでしょうか?
(・_・):少々こぼれるもんやねんて。

柄杓比較表

項目 甲良水車 朝倉三連水車(下車)
水車直径(m) 4 3.98
柄杓の数 40(片側20) 40(片側20)
幅(内寸)(mm) 196 152
高さ(内寸)(mm) 146 152
深さ(内寸)(mm) 308 348
容積(リットル) 8.81 8.04
実容積(リットル) 6.82 7.25
取り付け角度 約22度 約19度

ちなみに朝倉三連水車の資料はたいてい容積8.04×回転数で計算しているのですが、
柄杓には柄杓を固定するために太さ約3cm×5cmの部材が中を貫いていますので、
容積は0.3×0.5×1.52=約0.23リットル少ないです。
また柄杓で汲み上げるときや吐き出すときにある程度傾いていますので、揚水量としてはもう少し少ないはずです。
別の資料で、4升(7.25リットル)という資料があり、この方が実際に近いと思われます。

仕様の元になったのは「朝倉の水車」という資料だと思われます。
で、この資料に柄杓の寸法が書いてあり、柄杓の寸法図の内寸で計算するとちょうど8.04リットルになります。
(^_^):著作権があると思いますので、このページでは乗せませんが、私がデータを捏造したのではありませんよということだけご理解ください。

下が4升の記載のある資料です。
これは水車のそばの売店でもらった様に思います。
(^_^):書籍ではなく無料の観光案内(たぶん)なので、無理すれば読める程度に。



左下の水車の図より水車の半径の約30%は水に沈み、水車の下部から河床までは20cmほどはあります。
水深は80cm以上はあるようです。
本来水車の上流側と下流側は同じ水位のはずはないのですが、羽根板が完全に沈むほど水深があるので、測量できるような場所でもないし、見た目にはわからないのかもしれません。

甲良の場合は上流側で80cm、下流側で、50cmほどを想定しています。
水深が浅い分だけ角度を大きくしないと水をすくえません。
また浅く、角度が大きい分だけ、柄杓を深くできません。
高さもあまり取れないので、幅で容量を稼いでいます。
というわけで、柄杓は大きいですが、実容量(実際に汲み上げることのできる量)はすこし少なくなっています。

○樋の高さを可変にした。



注意シールの貼ってある左右にボルトとナットがあるのがお分かりいただけるでしょうか?
柄杓があたらないぎりぎりの高さに調整できるようにしています。
(^_^):金属製だからこそ気軽にできる業ですね。

○樋に人工芝を敷いた。
写真では見えないですが、人工芝が敷いてあります。
これは何もないと、水が跳ねてしまうので、お客様から「人工芝を敷けば」との提案があり、実行したところ、うまく跳ねなくなりました。

◎次回の改良点

とりあえず動いているのですが、次回作り直す場合に向けて、
(・_・):いつの話やねん。
(^_^):金物で20年後、構造物もので50年後くらいでしょうか?
(・_・):もうお前死んどるやろ。
(^_^):せやから今のうちに後世の人に伝えとくんやがな。
(・_・):これ水車1でやったやんけ!
(^_^):不具合があるんやからしゃあないやんか。

○角パイプ
今回は景観上木製風にするために角パイプを使用しました。
角パイプってボルトとナットで締めていくと撓んで、いくら締めても締まり切らないんですよね。
溶接したものはいくらかのひずみが残っています。
金属はある程度弾性があるので、周りからしっかり押さえつければそう問題にならないのですが、今回は結合が弱いので、水車の回転によって、力の係り具合が変わり、歪んで戻るときにカコ〜〜ンと音がするんです。
ワイヤーを巻いて締めると少しましになりました。
3年ほどして見に行ったときはひずみが取れたのかなじんだのか音がしなくなっていました。(^_^;)

結合部は金具を溶接して金具同士をしっかりボルト締めするようにしたほうが良いです。
(・_・):そんなことも知らんと設計するようなやつはお前だけや!

○回転速度なのですが予定よりスピードがあがりませんでした。
その代わりかなり低落差でも回りだすので、トルク的には余裕があったようです。今度作るなら、柄杓の幅を2割ほどは大きくしてもよさそうです。

なるべく正しい情報をご提供しようとは思っておりますが、間違ったことを書いているかもしれません。(汗
誤字脱字を含めまして、間違いがございましたら、ご指摘いただきたく、よろしくお願い致します。m(_ _)m

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