EPSON仕様SIMM判別法 EPSON仕様のSIMMは,61互換SIMMやJEDEC仕様のSIMMとは端子のアサインが全く異なり, これらとの互換性が全くありません.またこれら後二者に比べ,絶対数が少なく,一般 には比較的なじみの少ないSIMMであるため,中古ショップなどでもはっきりそれとして 売られていることは稀で,正体不明のSIMMとしてジャンクSIMM均一籠などに放り込まれ ているケースが大半です. EPSON仕様のSIMMのうち,サードパーティー製品は,基板上の型番のシルク印刷や型番 の記されたシールなどによって同定は比較的容易ですが,純正品の判別は意外に難事 です. EPSON純正品の見分け方のポイントは以下の5点です: (1)端子は金メッキではなく錫(銀色)メッキである.これはRAMベースボードのSIMM   ソケットのピンが錫色のものであるためと思われます. (2)基板上に型番の表記はなく,代わりに1659M2(2MB),1659M4(4MB)などのシルク   印刷がある. (3)そのシルク印刷は,EPSON独特の少し丸みを帯びた書体である.これはEPSON製デスク トップ機のライザボードや純正拡張ボードなどのシルク印刷("・・・・・Board"など)の 書体と同じ. (4)基板の色も独特で,普通のSIMMと異なり,独特の青緑色をしている. (5)普通のSIMMより背が低く,そのため細長い感じを与える.これは内蔵RAMボードの 複数装着を可能にするためと思われます. ■EPSON仕様のSIMMの具体的な型番,チップ等については,そら氏が氏のweb page, 「ゑぷそん道」にて詳細なデータを公開されていますのでご覧下さい: 「ゑぷそん道」:http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/9122/epson.html --> [PC-486FR] ■また,SIMMの外観から型番を判別する方法がどるこむの過去ログにありますので,  あわせてご覧下さい: http://www.cham-reo.com/logsearch/archive/stage_3/epson/sled01926.html http://www.griffonworks.homeip.net/dorlog/2nddorcom/epson98/thread01926.html ■JEDEC仕様のSIMMをEPSON仕様のSIMM(パリティなし)に改造する方法がトランジスタ  技術に掲載されています: 佐野和弘 (1997). PC-486SRのメモリ増設のために―DOS/V用SIMMをEP-SIMMに改造する. トランジスタ技術1997年7月号, pp.370-374. なお,純正品,サードパーティー製品とも,EPSON製ノート用の68ピンSIMMとよく似て いますが,これはSIMMの長さ(ノート用の方が短い)や端子数,またサードパーティー 製品であれば,少し注意して見れば,基板やシールに記された型番から区別は容易です. 注:EPSON仕様ではない,JEDEC仕様のEPSON製のSIMMが存在しますのでご注意下さい. これはチップが片面のみに8個ついており,大きさも普通のSIMMと同じで,基板の左上 にはEPSONの文字が白抜きで入っており,一番左にはP-201648401,穴を挟んで1951M4 Board,また右にはUNIT 201648501,NEP-16Tという白文字が上記の独特の書体でシルク 印刷されています.端子は錫メッキです.これの正体は単なる4MBのノンパリSIMMです.